本殿の真裏
出雲大社本殿の真後ろ、八雲山の麓には「素鵞社(そがのやしろ)」という小さな社が鎮座しています。 御祭神は、大国主大神の父神にあたる須佐之男命(すさのおのみこと)。本殿の背後という位置からも、 この社が特別な存在として大切にされてきたことがうかがえます。
素鵞社には、独特の信仰が伝わっています。あらかじめ稲佐の浜で砂を清め持ち帰り、素鵞社の縁の下に 納められた「御砂(おすな)」と交換していただく、というならわしです。こうしていただいた御砂は、 家の敷地に撒くことでお清めやお守りになるとされ、稲佐の浜と素鵞社、そして出雲大社本殿という 三つの場所を結ぶ、参拝者自身が「結び」の一端を担う信仰のかたちとなっています。
境内近くの森
出雲大社の東、真名井の泉の近くには「命主社(いのちぬしのやしろ)」という古社があります。御祭神は 神産巣日神(かみむすひのかみ)――『古事記』冒頭に登場する、天地開闢の際の造化三神の一柱です。 社の背後には、樹齢1000年ともいわれる大きなムクノキがそびえ、独特の存在感を放っています。
1665年(寛文5年)、社殿の造営に際してこの周辺から、硬玉(ヒスイ)製の大きな勾玉と、銅戈 (どうか)が発見されました。弥生時代にまでさかのぼるとみられるこれらの遺物は、命主社周辺の 一帯が古くから祭祀の場であったことを示す、貴重な手がかりとなっています。
神話の舞台
出雲大社から西へ1kmほどのところに広がる稲佐の浜は、本サイトでもすでに何度か登場した、出雲でも 屈指の聖地です。「国譲りと大国主大神」のページで見た通り、建御雷神が国譲りを迫って降り立ったと 伝わるのがこの浜であり、「神在月」のページで見た神迎神事も、この浜から始まります。
浜には「弁天島(べんてんじま)」と呼ばれる小さな岩の島があり、頂には豊玉毘古命(とよたまひこの みこと)を祀る祠が置かれています。夕暮れどきには、この弁天島の向こうに日本海へ沈む夕日を望む ことができ、写真愛好家にも人気の景勝地となっています。
海の彼方の聖地
出雲大社から海沿いに北西へ進んだ日御碕(ひのみさき)には、日御碕神社が鎮座しています。朱塗りの 社殿が美しいこの神社は、上下二社からなり、上の宮「神の宮」には須佐之男命を、下の宮「日沈宮 (ひしずみのみや)」には天照大御神を祀ります。天照大御神を祀る社に「日沈宮」という名がついて いる点は、太陽神を祀りながらも西の海に沈む夕日と結びつけて語られてきた、この土地ならではの 信仰のかたちを示しています。
日御碕神社の沖合には、経島(ふみしま)と呼ばれる小さな無人島が浮かんでいます。この島は、 ウミネコの一大繁殖地として知られ、国の天然記念物にも指定されています。毎年11月頃になると 多くのウミネコが飛来し、初夏にかけて島は鳴き声とともに白く染まるほどの群れでにぎわいます。 ふだんは神域として島への上陸が禁じられていますが、遠く日御碕の高台や遊覧船から、その様子を 眺めることができます。
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神在月にちなむ「ぜんざい」発祥の言い伝え、出雲を代表する割子そば、そして宍道湖のしじみ。 信仰の土地に根づいた、出雲ならではの食文化をたどります。
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